プラスチックのゴミが浜辺に打ち上げられているのを見たことがある人も多いと思いますが、現在海洋汚染で大きく問題されている1つに「プラスチックゴミ」があります。
今年1月に、ダボス会議に合わせて発表された、「エレン・マッカーサー財団」と、「マッキンゼー・ビジネス環境センター」が行った世界規模の調査によると、年間800万トンものプラスチックゴミが海洋に投棄されているとのこと。
この海を漂うプラスチックは、日光にあたるなどして小さな破片となっていきます。近年、この小さなプラスチックの破片を、魚などの海洋生物が餌と間違えて食べてしまうことが問題となっていて、日本も例外ではありません。
2016年の4月の東京新聞の記事によると、東京湾で獲れたカタクチイワシの、実に8割の内蔵からマイクロプラスチック(大きさが5ミリ以下になったプラスチックのこと)が出てきたそうです。当然のことですが、こうした魚は私たちの食卓へとあがり、体の中に入っていきます。
「エレン・マッカーサー財団」と、「マッキンゼー・ビジネス環境センター」による前述の調査では、この現状が続くと海洋に漂うプラスチックごみの量は、2025年までに魚3トンにつき1トンの比率にまでのぼるのでは無いかと試算され、魚が餌として取り込む確立が増えていくことが懸念されています。
そんな状況をデザインの力でなんとか出来ないだろうか?と考えたのが、オランダのアートアカデミーの学生フェス・アントニオさん。
自らも寿司好きのフェス・アントニオさんは、他の人にも魚を食べている時に、海洋問題を考えてもらいたい、そしてプラスチックゴミを減らしたいとの願いから、海洋のプラスチックゴミを素材としたUmihasi(海箸)を卒業プロジェクトとして制作。そしてこの活動を広げるべく、オランダにある制作会社Better Future Factory(ベター・フューチャー・ファクトリー)と共に作成するプロジェクトを立ち上げました。
このプロジェクトの目的は、現在世界的な寿司ブームとなり、海外で寿司屋を見かけることも多くなりましたが、世界中の寿司を愛する人々に環境問題を考えてもらうことと、また、このゴミから作られた美しい製品を使って海鮮物を提供する飲食店を環境問題に考慮したシンボルとして世界中に認知させることにあります。
エシカルな消費が叫ばれる昨今、ヨーロッパではオーガニックブームから、魚が住む環境やその漁業の行い方、魚の乱獲問題など、製品や食料品を選ぶ基準の1つとして考えられるようになっています。
このUmihasi(海箸)は、寿司をエシカルに考えるための1つのキッカケとして、一般の人のみならず、飲食店などでシンボルの1つとして使用されることを目指しています。
クラウドファンディングは、英語&ユーロ記載なので少し分かりづらい方もいらっしゃると思うので、少しご説明すると
€5(571円) | サンクスレター |
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€20(2,280円) | 1組の海箸(世界中どこでも配送可能) |
€40(4,560円) | 2組の海箸(世界中どこでも配送可能) |
€80(9,120円) | 4組の海箸(世界中どこでも配送可能) |
€120(13,680円) | 6組の海箸(世界中どこでも配送可能) |
€160(18,242円) | 8組の海箸(世界中どこでも配送可能) |
€320(36,483円) | 16組の海箸(世界中どこでも配送可能) |
€600(68,403円) | 32組の海箸(世界中どこでも配送可能) |
また、選んだコースにより、配送料がプラスされ、コースを選んだ際に表示されます。例えば€20(2,280円)野コースを選び、配送地で日本を選択すると「€9」が表示され、配送料を一緒に支払う形になります。
注:1ユーロ=115円として換算(2016年7月5日現在のレートを元におおよそで計算)、為替や決済日での換算により値段が変動する場合がありますので、ご注意下さい。
もちろん海箸を使うだけで、海洋のプラスチックゴミが取り除かれるわけではありませんが、少なくとも海洋汚染を意識することや、ゴミを少しでも減らそうということに貢献できることに間違いはありません。
海好き、海の生物好き、海鮮を食べるのが好き、お子さんに命と環境の繋がりを学ばせたいという方で、フェス・アントニオさんの活動を支援したいという方は、下記のページからサポートできます。またぜひ彼の活動をシェアして皆さんに広めて下さい。
クラウドファウンディングページ:
https://www.kickstarter.com/projects/anthonio/umi-hashi-chopsticks-made-of-ocean-plastic
公式ウェブサイト:
http://anthonio.info/umihashi/